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FAQ
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ベトナムからの撤退
- 01ベトナムへの進出方法は、大きく① 直接投資 (現地拠点の設立)、② 間接投資 (既存会社への出資・M&A) 、③ 事業協力契約 (BCC) 契約、④国境を越えたサービス提供の4つに分けられます。どの方法が適しているかは、事業内容や進出目的によって異なります。 初めて海外進出する企業の場合、必ずしも現地法人の設立が最適とは限りません。現地拠点の設立には時間やコストがかかるほか、撤退時にも複雑な手続が必要となります。一方で、市場性が確認できており、独立した事業運営を行う場合や、対象事業が外資参入可能な業種である場合には、現地法人の設立が有力な選択肢となります。 現地法人や支店の設立には、事業内容に応じて投資登録証明書 (IRC)等の手続が必要となり、業種によっては外資規制が適用される場合があります。また、有限責任会社や株式会社など複数の組織形態があり、出資者構成や将来の事業計画を踏まえて選択することが重要です。 なお、ベトナムでは一部業種を除き外国企業による支店設置が制限されており、駐在員事務所は原則として営業活動を行うことができません。そのため、進出形態の選択にあたっては事前の検討が重要となります。
- 02ベトナムにおける外資規制は、投資法 (61/2020/QH14) 及び関連する複数の投資関連政令によって規定されています。外資規制の内容について、主に以下の点に対して注意を払う必要があります。 ① 投資手続に関する規制 外資企業がベトナムに進出するためには、ベトナム投資法に定める手続を行う必要があります。投資の手続は、投資の形態(経済組織設立への投資、経済組織への出資、株式、持分の購入の方式による投資、PPP (Public-Private Partnership) 契約又はBCC (Business Corporate Contract) により異なります。 【経済組織設立への投資】 投資登録証明書 (Investment Registration Certificate - IRC) の取得 企業登録証明書 (Enterprise Registration Certificate - ERC) の取得 企業設立後の各種手続 事業に関するライセンスの取得 (必要に応じ) 【経済組織への出資、株式、持分の購入の方式による投資】 経済組織への出資、株式、持分の購入の承認書取得 社員の変更、株主の登録 【PPP契約】 投資プロジェクトの提案 プロジェクトの提案審査→承認 事業者の選定 (入札) 事業者選択結果の承認決定 プロジェクトを実施するための法人設立 (IRC・ERCの取得) PPPに関する各種契約の締結 【BCC契約】 BCC契約の締結 BCC契約の登録 ②出資割合の規制 外資企業が出資可能な最大の出資割合を確認するため、WTOコミットメント及びベトナム国内法令を検討する必要があります。WTOコミットメントにおいて、外資企業の出資割合を制限する事業として18事業が指定されています。例として以下のものがあげられます。 インターネットインフラなし通信サービス:65%以下 インターネットインフラあり通信サービス:49%以下 農業、狩猟、林業に関するサービス:51%以下 映画製作、発行、撮影:51%以下 道路運送業:51%以下 国内法令においても外資企業の出資割合を制限する規定があります。例として、商事銀 (50%以下)、警備・守衛サービス (50%以下)、価値評価サービス (35%以下) 等があげられます。 ③事業に関する規制 ベトナム投資法の規制に従う投資禁止分野 投資法の付録 I に規定される麻薬関連事業 投資法の付録 II に規定される化学物質および鉱物に関連する事業 条約の附属書 I・III に規定する野生動植物の標本及び絶滅のおそれのあるグループ I の標本の取引 売春業 人間、組織、死体、人体の一部、および人間の胎児の売買 クローン人間に関する事業活動 爆竹の取引 債権回収サービスの取引 条件付投資分野 投資禁止分野に該当しない場合であっても、常に自由な投資活動が行えるわけではなく、一部の分野においては、条件付投資分野として、投資活動に一定の制約が課せられることがあります。どのような分野が条件付投資分野に該当するかについては、投資法別表4を修正する法律 (61/2020/QH14) 中の別表IVにより確認することができます。条件付投資分野に該当する場合には、さらに個別法令の定めを確認し、具体的にどのような外資規制が行われているのか確認する必要があります。 投資優遇 外資規制ではないものの特定の業種、地域へ投資を行う場合には、税制面における優遇措置を受けることもできます。具体的な優遇措置の定めは、投資法及び中小企業支援法(04/2017/QH14) に置かれており、例えば、ハイテク業種、職業教育といった業種があげられます。また、投資優遇地域として、工業団地や経済区などがあげられます。 ④投資関係の報告等に関する規制 外資投資家が、ベトナムで投資プロジェクトを実施する際、投資プロジェクトの活動状況を報告する必要があります。現在オンラインで報告書を提出することができ、月間報告書、6か月間報告書および年間報告書があります。
- 03ベトナムでは業種ごとに外資規制が異なり、進出形態、出資比率、許認可要件などが定められています。主な業種の例は以下のとおりです。 ■ 飲食業 現在、飲食業に対する外資規制はありません。ただし、営業には食品安全証明書の取得が必要です。酒類を提供する場合は、別途酒類販売ライセンスの取得が求められます。 ■ 不動産業 不動産業は条件付き投資分野に指定されており、外資企業が行える事業内容に制限があります。IRC(投資登録証明書)取得時には関係当局との協議が必要となるため、一般的な業種と比べて設立手続に時間を要する傾向があります。 ■ 建設業 建設業は原則として100%外資による参入が可能です。ただし、建設ライセンスの取得や技術者資格要件など、ベトナム国内法上の規制を満たす必要があります。 ■ 教育事業 教育事業は比較的規制の厳しい分野です。職業訓練事業の場合、最低資本金は50億〜1,000億VND、土地面積も1,000㎡〜50,000㎡以上が求められる場合があります。また、教育プログラムや教員資格についても当局の審査対象となります。 ■ 広告業 広告業への外資参入は可能ですが、進出形態に制限があります。また、酒類や一部商品の広告には内容規制が設けられています。 ■ 金融・保険業 金融・保険業は最も規制の厳しい分野の一つです。事業ライセンスの取得に加え、高額な最低資本金や出資者要件が課されます。例えば、商業銀行は3兆VND、金融会社は5,000億VNDの最低資本金が必要とされています。 ■ エンターテインメント業 映画、ゲーム、興行などの分野では、外資比率や進出形態に制限があります。例えば、一部の興行事業では外国資本比率が49%以下とされており、映画事業では当局によるコンテンツ審査が必要となります。 ■ 医療事業 病院やクリニックは100%外資による進出も可能です。ただし、最低資本金として病院は2,000万USD、総合診療所は200万USD、専門クリニックは20万USDが求められます。また、施設基準や医療従事者の資格要件を満たしたうえで、医療機関運営ライセンスを取得する必要があります。 ベトナムでは法令上の規制だけでなく、実務上の運用や許認可手続が事業開始時期に大きく影響することがあります。進出を検討される際は、事前に対象業種の規制を確認することをお勧めします。
- 04ベトナムへの進出方法は、大きく「直接投資(新規設立)」と「間接投資(M&A)」の2つに分けられます。 直接投資では、現地法人、支店、駐在員事務所の設立が主な選択肢となります。現地法人の設立が最も一般的ですが、投資登録証明書(IRC)などの許認可手続が必要となるため、一定の時間を要します。一方、間接投資(M&A)では、既存企業の買収や出資を通じて事業を開始します。手続期間の短縮や、業種によっては外資規制への対応策として活用されるケースもあります。 実務上は、既存企業の買収や株式取得を通じてベトナム法人を取得するスキームも広く利用されています。
- 05現地拠点を設けずにベトナムで事業を行う方法として、主に①間接投資(M&A)、②BCC契約(事業協力契約)、③国境を越えたサービス提供の3つがあります。事業内容や目的に応じて適切な方法を選択することが重要です。 ① 間接投資(M&A) ベトナム企業の持分・株式を取得する方法です。現地法人を新たに設立する必要がなく、既存企業の経営権を取得することで事業を展開できます。実務上は、一定の場合に持分・株式取得に関する当局の承認手続が必要となり、取得後には企業登録情報(ERC)の変更手続を行います。 ② BCC契約(事業協力契約) ベトナム企業と契約を締結し、共同で事業を行う方法です。法人を新設する必要がなく、一部の規制業種において活用されることがあります。一方で、事業運営や利益配分を契約で明確に定める必要があり、パートナー選定や契約設計が重要となります。 ③ 国境を越えたサービス提供 ベトナムに拠点を設けず、日本など海外からサービスを提供する方法です。法務、会計、建築設計、技術コンサルティングなどの分野で利用されています。ただし、利用可能なサービスはベトナムのWTOコミットメントや個別法令によって制限されるため、事前の確認が必要です。 どの方法が適しているかは、事業内容、投資規模、外資規制の有無によって異なります。ベトナム進出を検討する際は、事前に法的・実務的な観点から検討することをお勧めします。
- 06ベトナムの駐在員事務所は、外国企業が市場調査や営業活動の準備を行うための拠点です。現地法人とは異なり、法人格を持たず、原則として営利活動を行うことはできません。 主な業務 市場調査 情報収集 本社の事業活動に関する連絡・広報 取引先との関係構築 一方で、商品の販売、サービス提供、請求書の発行、売上の計上などの営業活動は認められていません。 駐在員事務所を設立するためには、通常、外国企業が設立後1年以上経過していることが求められます。申請が認められると、駐在員事務所設立許可証が発行されます。 なお、駐在員事務所の所長はベトナムに常駐して管理を行うことが求められるほか、ベトナム法人の法定代表者との兼任には制限があります。 ベトナム市場の調査や将来的な進出準備を目的とする場合には、駐在員事務所は有効な選択肢となりますが、実際に事業活動を行う場合には現地法人の設立や他の進出形態を検討する必要があります。
- 07可能です。ただし、ベトナムでは外国企業による支店設立が認められる業種が限定されており、現地法人の設立と比べて利用できるケースは多くありません。 外国企業がベトナムで支店を設立するためには、支店設立許可証(Branch License)の取得が必要です。主な要件として、政令07/2016/ND-CP第8条により、以下が求められます。 ベトナムが加盟する国際条約の締約国・地域の法令に基づき適法に設立された法人であること 設立から5年以上継続して事業を行っていること 本国の事業登録証明書等の有効期限が、申請時点で1年以上残っていること 支店の事業内容が、外国法人の事業内容およびベトナムの市場開放約束の範囲内であること 特に重要なのが、ベトナムのWTOコミットメントによる業種規制です。ベトナムでは、外国企業による支店設立を認める業種が限定されており、多くの事業分野では支店ではなく現地法人の設立が必要となります。 現在、外国企業による支店設立が認められている代表的な分野は以下のとおりです。 リーガルサービス(外国弁護士組織) コンピューター関連サービス 経営コンサルティングサービス 建設関連サービス フランチャイズ事業 金融サービス(銀行・保険・証券等) もっとも、業種によっては個別の許認可や追加要件が課される場合があります。そのため、支店設立を検討する際は、対象事業がベトナムの市場開放対象となっているかを事前に確認することが重要です。
- 08ベトナムでは、①一人有限責任会社 (Single-member Limited Liability Company)、②二人以上有限責任会社 (Multi-member Limited Liability Company)、③株式会社 (Joint Stock Company)、④合名会社 (Partnership)、⑤私人企業/私営企業 (Private Enterprise) の5つの事業形態があります。 ■ 一人有限責任会社 出資者が1名の会社形態です。100%外資で進出する場合によく利用されます。出資者の責任は出資額の範囲に限定されます。 ■ 二人以上有限責任会社 出資者が2名以上50名以下の会社形態です。ベトナム企業との合弁(ジョイントベンチャー)や複数の投資家で設立する場合によく利用されます。 ■ 株式会社 3名以上の株主が必要となります。株式発行による資金調達が可能であり、将来的な増資や上場を視野に入れる場合に適しています。 ■ 合名会社 すべての合名社員が会社債務について無限責任を負う会社形態です。外国投資案件で利用されることはほとんどありません。 ■ 私人企業(私営企業) 個人が事業主となる形態で、法人格はありません。事業主が事業上の債務について無限責任を負います。 実務上、外国投資家が設立する会社の多くは有限責任会社 (LLC) または株式会社 (JSC) である。100%外資で進出する場合は一人有限責任会社、現地企業との合弁 (JV) の場合は二人以上有限責任会社が選択されることが一般的です。 また、ベトナムの有限責任会社は、日本の合同会社と完全に同じ制度ではありません。さらに、株式会社の設立には最低3名の株主が必要となるなど、日本法と異なる点もあります。そのため、事業内容や出資者構成、将来の事業計画を踏まえて適切な会社形態を選択することが重要です。
- 09ベトナムの有限責任会社 (LLC) には、①一人有限責任会社と、②二人以上有限責任会社の2種類があります。いずれも出資者の責任は出資額の範囲に限定されます。実務上、外国投資家がベトナムに進出する際は、100%外資の場合は一人有限責任会社、ベトナム企業との合弁 (JV) の場合は二人以上有限責任会社が利用されることが一般的です。 一人有限責任会社 出資者が1名の会社形態です。 出資者が個人の場合は、会社会長と社長を置く形が一般的です。 出資者が法人の場合は、会社会長モデルと社員総会モデルのいずれかを採用できます。 出資者は、定款変更、増資・減資、投資方針、利益処分、解散などの重要事項について決定権を有します。 二人以上有限責任会社 出資者が2名以上50名以下の会社形態です。 機関構成は、社員総会、社員総会会長、社長、社員総会は会社の最高意思決定機関であり、定款変更、増資・減資、事業計画、利益配分などの重要事項を決定します。 法定代表者 ベトナムの会社は少なくとも1名の法定代表者を置く必要があります。 法定代表者は契約締結や行政手続を行う権限を有し、会社運営上重要な役割を担います。 また、常時少なくとも1名の法定代表者がベトナム国内に居住している必要があります。 監査機関 有限責任会社では、原則として株式会社のような監査役会は必須ではありません。 ただし、国有企業、国有企業の子会社など一定の場合には監査人の設置が義務付けられます。
- 10ベトナムの株式会社は、株主の有限責任および株式による資本構成を特徴としますが、日本と異なり原則として1人会社は認められておらず、株主は最低3名が必要とされています。 会社の機関構成は、以下の2つのいずれかのモデルに分類されます。 株主総会・取締役会・監査役会・社長(または総社長) 株主総会・取締役会・社長(または総社長) 前者は監査機能を監査役会が担う構成であり、後者は内部監査委員会や独立取締役制度を通じて監督機能が確保されます。株主の権利は保有割合に応じて段階的に強化されます。 一般株主は議決権・配当受領権・株式譲渡権を有しますが、一定割合以上の株式を保有する株主には、株主総会の招集請求権や取締役の責任追及権、重要書類の閲覧権などが認められます。また、株式会社には取締役会が設置され、会社の重要事項を決定します。日常業務は社長または総社長が執行し、取締役会の監督を受けます。 さらに、法定代表者は原則として定款に定められた者(多くの場合は代表取締役会長または社長)が務め、ベトナム国内での責任ある対応主体となります。
- 11ベトナム法上、法定代表者には居住要件が設けられています。企業は少なくとも1名の法定代表者を設置する必要があり、その代表者はベトナム国内に居住していることが求められます。また、法定代表者が一時的にベトナムを離れる場合には、権限を他者に書面で委任することが認められていますが、その場合でも法定代表者は責任を負います。 一方で、株主および出資者については国籍要件・居住要件ともに原則としてありません。外国人・外国法人であっても株主または出資者となることが可能です。株主総会については、原則として法定の手続に従って開催されますが、オンライン参加や書面による議決権行使も認められており、必ずしもベトナム国内への居住や常駐が必要となるわけではありません。

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